- Uberはシェアリングエコノミーシステム。
- シェアリングエコノミーは比較的新しい仕組み。
- いま渦巻いているUber Eats への不満。
- オープンソースの思想に似てる。
- それでもUber Eatsを応援したほうがいい!
- まとめ
前編では、注文者様が知らない配達環境について書かせて頂きました。
ダメじゃんこんなの、、、
そう言って利用をやめてしまうのは簡単な事ですが、ここは、注文者だけではなく、配達員、レストラン、ウーバーの中の人、全員に改めてウーバーの仕組みを認識して貰いたく、鳥の視点で書かせて貰います。
そう言う意味では前編は虫の視点と言えます。
結論から書くと、それでもUber利用していった方が、みんな幸せになれる!という話しです。
Uberはシェアリングエコノミーシステム。
最近経済ニュースなどで、シェアリングエコノミーと言う言葉が出てきます。
日本語に直すと、共有経済でしょうか。
みなさんも聞いたことがあるんではないでしょうか?
※B and B は Bed and Breakfast. 英国圏で観られる民宿の仕組みです。
俺の持ち物、俺だけ使ってるのはもったいないから、みんなでシェアして使おうぜという考えです。
Airbnbはなにがシェアされているか想像しやすいですね。
俺の住んでいる家の空き部屋とか、私が持て余している別荘とか、転勤で空きにしている我が家とか、そういうものを宿として提供してもいいよという人と、そこの地で宿泊したいというニーズをマッチングさせる仕組みです。
車を所有している人と、A地点からB地点へ移動したいという人をマッチングするアプリです。
この場合、シェアされているものは、車と、運転してくれる人の時間や労力ですね。
海外なんかでタクシーに代わり台頭してきたあれです。
Uber Eats を支えるシステムは、このシステムを転用して作られております。
ではここからが本題。
Uber Eats も実はシェアリングエコノミーなんです。
では、一体何がシェアされいるでしょう?
僕達配達員が、通勤や生活の移動で利用している、自転車とかバイク、そして、空いている時間と労力です。
報酬を頂けるなら、シェアしてもいいよという人と、あそこのレストランの美味しい食事を家まで届けて欲しいというニーズ、お客様の元へ家の食事を届けて欲しいニーズというのをマッチングしているのがUber Eats です。
シェアリングエコノミーは比較的新しい仕組み。
シェアリングエコノミーの骨子となるのが、分散型経済という考え方です。
分散型経済の対義になる考え方は中央集権型経済です。
Uber Eats は、比較的新しい思想を背景とした画期的システムなんです。
ちょっと待って!そんなに画期的?
昔から、宅配ピザや、寿司の出前とかあるよね?
それと何が違うの?
確かに。レストランに注文入れたら家まで食事が届けられるという点は同じ形をしています。
ですが、その中身は全く異なります。
宅配ピザを代表とする中央集権型経済はサービスの品質を基本的には一つのところが制御しています。
宅配ピザ型サービス
お届け中に、破損事故があった!著しい遅延があった!などのクレームは直接お店へ入ります。
お店は配達し直しや、返金、お詫びなどで責任を取ってゆきます。
お客様は次の注文という形でお店を評価してゆきます。
お店も、お客様を失いたくなければ、サービス品質を上げてゆかねばなりません。
この経済のいいところはシンプルさです。
お店、お客しか基本登場しません。
問題の責任所在が明確ですし、改善されてゆく可能性も高いです。
改善されなかれば恐らくお店はつぶれるでしょう。
システムがシンプルなのが良いところです。
では悪いところはと言うと。
お店は固定費を払わねばなりません。
宅配業務をするにあたって、配達するスタッフを雇っておかねばなりませんし、バイクや自転車や車なども維持してゆかねばなりません。
注文量が長期で予測しやすい場合はいいですが、注文があってもなくても固定費は支払うので、固定費で利益を持って行かれます。
場合によっては赤字を覚悟しなければならず、宅配業に参入する事自体リスクのある投資です。
Uber Eats は分散型経済です。
UberEats型サービス
なにが分散型というと、注文者、お店、配達員、マッチングサービス(Uber) がそれぞれ、分権しており、それぞれが役割をもって対等な立場である事です。
注文者、お店、配達員をそれぞれ評価システムによって監視しております。
これにより、悪い評価が沢山たまると、この世界から退場させられることにより、品質を保っています。
これは、お客さんも同じなのです。
配達の不満を配達員に過激にぶつけたりなどの行き過ぎたアクションを取れば、退場させられる可能性があります。
対等な関係で、それぞれの努力で美味しいご飯をお家まで届けるという共通のミッションを達成する世界観です。
お店の努力は、美味しいご飯を作る事、破損事故が起こらない、お客に届くまでの品質を損ねない梱包をすること。
配達員の努力は、敏速に、丁寧に商品を引き取ってお客様へ引き渡すこと。
お客の努力は、お金を払う事と評価をすることです。
どうでしょう?少しはイメージ湧きましたでしょうか?
ちなみにですけど、出前館やLINEデリなどのサービスはこの中間ぐらいのところを狙っているようにみえます。
使ったことないので詳しくは語れないですけど。
これらは、新聞配達の余剰資源(早朝と夕方以外稼働しない)を飲食物の出前に利用しようという発想です。
この場合、下請けという関係になるかも知れません。
Uberは下請けという概念はあてはまらないと僕は考えてます。
Uberは宅配サービスではなくマッチングサービスと思っています。
その背景にはそういう思想があるように思います。
配達サービスではない。配達業務をサポートするツールと、注文マッチングのインフラを提供する会社です。
Uber自体もそう考えているのではないでしょうか?
いま渦巻いているUber Eats への不満。
いま、SNSをみているとお客様、配達員、加盟店から様々な不満が聞こえてきています。
それぞれ、間違っていない正当な批判が多いです。
ですが、不満の根源に、Uberは配達サービスという勝手な期待と思い込みがあるんではないでしょうか?
加盟したのに注文こねーじゃねーかよとか、配達員捕まらねーじゃねーかよ。
届いたらグチャグチャじゃねーか、、、届けるのがクソ遅いんだよ。
Uberが配達サービスという思いが怒りを増幅させているのかも知れません。
誰が悪い、これが悪いとなっているのが現状です、、、残念ですけど。
この不幸は、新しく登場した概念を、既存のメジャーで測るところにあるような気がします。
人は知っている概念で評価しようとします。
ピザ屋より時間がかかる。ピザ屋はこんなにグチャグチャに届けない。
そういう事です。
分散経済ではみんなが主人公です。
自分ができる事と、やってもらわないとできない事を切り分けてゆく必要があります。
改善するにはどんどん口を出して提案してゆくのが、このエコシステムの成功の鍵だと思ってます。
オープンソースの思想に似てる。
オープンソースプロジェクトとは、プロジェクトの中身を丸見えに公開して、みんなで開発、みんなで監視することにより、より良いものをみんなで作ろうねという開発手法です。
開発当初、コンピューターの利用には高いお金をだして企業が開発したOSを買わねばなりませんでした。
それを、みんなの英知とボランティア力で、みんなが無料で使える、製品に負けない品質のOSを作ろうぜとプロジェクトが立ち上げられました。
僕が若いころは、まだまだこのLinuxを活用する事は、バグ等あったときに責任所在がどこにあるんだなどの議論があって、プロフェッショナル用途にはどうなんだろうねという雰囲気でした。
Uber も同じではないでしょうかね。
まだ出てきたばかりの概念で、社会がこれに慣れていないとうところがあると思います。
現状、honestbee という類似サービスもあると聞きますが、この名古屋エリアではUberぐらいしか選択肢ありません。
もっと参加企業も増えて、みんなもこの形で働く方の立場を経験したり、お店として提供する方の立場を経験してゆく機会が増えてくれば考え方にも変化が現れるかも知れません。
そういう意味では、Uber Eats はまだヨチヨチ歩きで、不完全なものとしての認識が必要です。
不完全なポンコツサービスを利用しているんだという自覚があれば、ストレスも少しだけ軽減されるのではないでしょうかね。
それでもUber Eatsを応援したほうがいい!
そんなポンコツサービス俺はごめんだね。
解りますその意見!
でも、Uber Eats前と後では変わったことが確実にあります。
色んなお店の味が手軽に自宅で食べられる!
いままで、固定費の問題で配達には対応していなかったお店が配達できるようになりました。
金銭的には殆どノーリスクで参入できます。
※信用リスクと、利益率の問題は置いておきますが、、、
これにより、消費者にとっては宅配で食事できる選択肢が大幅に広がりました。
Uberという働き方。
配達員に限っては、隙間時間に仕事ができるという新しい仕事のスタイルを選択できるようになりました。
これは全く新しい働き方です。
働くタイミングを自分が選択できるというのは凄いメリットがあるのではないでしょうか。
まとめ
酷いものです。
でも、この基本思想は凄くいいところをついているし、社会に大きなインパクトを与えていると思います。
僕たちは鳥の目線で眺める必要があり、Uberをある程度の成功に導くことは、長期的にみると凄く社会をよくすることのように思うのです。
Uberがある程度成功すれば真似する企業が現れます。
競合がでてくると切磋琢磨でサービスは磨かれます。
そうすると、選択肢が増え、もっと楽しく生活できる社会が作れるんじゃないでしょうか。
最後に
色んなお店の料理が自宅で楽しめる社会は楽しいよね!
これです!言いたいのは。
そういう社会をみんなで作りましょう。
そのためには、今は我慢しながらポンコツを使い続ける忍耐も必要です。
そしてどんどん情報を共有して楽しい世界を一緒に作りましょう!
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