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【読書メモ】欲望の美術史 宮下 規久朗

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 後世に残るアートというのは、生まれた当時は世俗的で商業的でエンターテイメント的で、人々の欲望を叶える為の手段だった。

それが、後に時代的な意味付けをされ、文化財としてのアートとして残っていったものが殆ど。

芸術家も後の評価で芸術家となっているが、当時は大衆やパトロンのの求めるものを産み出す職人的な側面が強かった。

勿論、心から湧き出る自己表現としてアートに取り組んだ芸術家というのはいるにはいたけれど、そういう作品というのは人の関心を引くに至らず、後世に残る前に殆どが消えていっている。

 

この本は、この視点が面白いんですよね。

ヌードというのも、やっぱりエロの要素はあったし、宗教画や肖像画なども権威をみなに知らしめたいという欲望を形にしたもの。

静物画のモチーフに食べ物が選ばれるのは、食料の乏しい時代には食べ物の画というのは人の心を潤すものであったと。

 

後に意味付けされるみたいな話でピカソゲルニカの章が面白かった。

スペイン内戦の悲劇を題材にしたゲルニカ

泣き叫ぶ女は空爆により家族を失った女の悲しみを表現している。

勿論その解釈は間違っていないけど、ゲルニカ製作時期に、ピカソの彼女1と彼女2がアトリエで鉢合わせしてしまい、キャットファイトとなって、ピカソはそれを茫然とながめるしかなかったというエピソードがある。

泣く女のモデルはその彼女だという裏解釈もあるんですって(笑)

酒と女は2合(号)まで! という格言は、海を越えても通用するんですね。

※最近知った格言w

 

風景がの歴史も、昔はいかに写実できるのかというのがアーティストの腕の見せ所であったけど、写真機の発明により、写実することの価値は低下してゆき、印象派キュビズム、抽象主義やモダンアートみたいな方向に進んでゆく話も面白かったです。

 

そして、ゴシック時代からバロック時代へ移ると、商業による新興貴族の台頭で芸術がどんどん絢爛豪華になってゆく。

既存貴族を凌駕するために、派手なデザインが流行していった。

本の説明はここまでなんですけど、以前に読んだこの本の裏ストーリーと結びつけて読んで凄く面白く感じました。

 

世の中の流れとしては、どんどん派手デザイン化してゆくのに、既存貴族は新興貴族を排除するために、地味で質素で教養があるわかるやつしかわからないというイケず文化を形成し、服装に関してはどんどん地味化、カントリー化してゆく歴史が描かれている。

中野さんの本は凄く面白いので是非読んでみて下さい!

www.richardh.work

もう一つ裏話としては新興貴族がどう財を築いていったのか、こちらの本が凄く面白いんです。こちらも是非!

イギリス近代史講義 (講談社現代新書)

イギリス近代史講義 (講談社現代新書)

 

 

もう一点、これ読んで入れ墨文化を少し見直しました。

偏見で、入れ墨やタトゥーにいいイメージ無かったですけど、日本文化を象徴する伝統芸術だと思って観たらなかなか面白いものだなと。

和彫りの入れ墨はヤクザ屋さんだけでなくもう少し市民権得てもいいのかもなと考えなおしました。

 

脱線しましたが、本書は美術に関する楽しいトリビアに触れる事ができる良書でした。

ボリュームも少なくすぐ読めます。

 

こちらもKindle Unlimitedで読めます。

Kindle Unlimitedで史上最高に読書が手軽になっている時代だと思います。

以前記事にした超高速読書法ももしよかったらご覧ください。

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とにかく本は読むじゃなくて、聴く時代です!

手軽なのはAmazon オーディオブックかもしれません。

 

 

 Kindle Unlimited  月に2冊以上本を読む人にとってはとてもいいサービスですよ!おススメです。