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気楽に娯楽を享受できる時代はもうすぐ終わるのかもしれない

気楽に娯楽を享受できる時代はもうすぐ終わる

気楽に娯楽を享受できる時代はもうすぐ終わる
アトランタで来たマッサージ店襲撃事件。
 
実はこの事件自体知らなかった。
クラブハウスでこの事件がきっかけでアジア人差別に抗議する運動がアメリカで起こっていることを初めて知った。
 
日本にいると被差別の実感がないが、欧米で生きるアジア人はときおり煮え湯を飲まされるような辛い思いをたくさんしているようだ。
 
そんなことを在米日本人、日系2世アメリカ人たちが開いているトークルームで聞いて初めて心に響く情報として自分の中に入ってきた。
 
はっとさせられたのが、周囲から、差別側の欧米人だけでなく、同朋のアジア人、日本人、女性達から、被害妄想的に受け取り方が過大なんじゃないという言葉を投げかけられていて、その言葉に大きく傷つけられていると言うのを知った。
 
アジア人は欧米社会で男も女も差別されているが、特に女性アジア人はセックスが大好きですぐにやらせてくれるみたいなイメージが他の人種から思われている。
アジア人差別加えてセクシャルハラスメントの被害に日常的にあっている人も少なくない数でいるという。
 
それは日本をはじめ、アジアから発信されるアニメなどのコンテンツが、セクシャルな内容のものが多いことがすごく遠因として影響していると思うと意見を述べていた。
 
例えばAKB48のヒット曲ヘビーローテーション
蜷川実花さんがプロモーションビデオを手がけてガーリーで可愛いくってちょっとエッチな映像となっている。
日本人の文脈で語れば、少女だった彼女たちが、下着姿になって大人の女性としてこれからはじけていくぞみたいなエネルギーを表現したかったという解釈になる。
エロポップみたいなノリでしょう。
ところが、欧米では、アジア人はやはり頭の中はエッチなことを考えているんだ!というメッセージとして伝わっているらしい。
 
これはこの映像の話だけで完結してなく、アジアから外国人として欧米社会に渡ってきて、ヒエラルキーの下層の仕事としてアジア女性たちはセックスワークに従事している人が少なくないという事実と、戦争花嫁の事実。
アメリカは第二次大戦、朝鮮戦争ベトナム戦争などでアジアへ従軍する機会が多かった。
その時に戦争花嫁と言う形で戦地からアメリカへ連れてきた女性たちが存在した。
また、兵士達の中には戦時に現地女性対して好き放題買春したり強姦してきた経験を持っている人も多く、セックスとアジア人女性というリンクイメージを持つ素地があるようだ。
少なくない白人が、アジア人は白人にコンプレクスや憧れがある。白人男性が声をかけると簡単に股を開くと思っているらしい。
 
彼らは日本のアニメーション、日本や韓国のポップカルチャーに触れてその考えをさらに補強している。
アジア人は性を消費することに抵抗がない人種と思われてる。
だから極力そういう表現を影響を考えてほしいとトークルームの彼女たちは呼びかけていた。
 
日本でも三重県の観光ポスター、宇崎ちゃんは遊びたい、少年マガジンの表紙、コンビニからセクシーな雑誌の撤去など、フェミニストを中心とした方々から、女性の性を消費するのはやめろと言う声が上り話題になった。
話題になるたびに僕は彼女たちの言い分に本当に正義があるのかと言うことを考えさせられた。
 
事柄は異なるが、メディア描写が大衆心理に及ぼす影響をじっくり考えさせられる本に出会った。
元怒羅権という反グレ組織の一員だった方が書いた体験記。
読みながら自分の子供時代、思春期の時代のことを思い出していた。
今よりももっともっとずっと暴力表現が日常に溢れていた。
その影響はやっぱりあったんじゃないかと言うことを肌感覚で感じる。
幼稚園の頃、キン肉マンと言うアニメが流行っていた。
僕は腕っ節の強い友達と一緒に気の弱い子を相手に自分らは正義超人、お前は悪魔超人だと言って技をかけて遊んだのを覚えている。
振り返ればそれは遊びではなくいじめそのものであった。
本当に申し訳ない事をしたと思う。
 
でもそれはメディアが暴力をカジュアルに扱っていた影響は大きいと思う。
僕らよりもさらに上の世代の人には、仮面ライダーごっこやプロレスごっこで嫌な思いをしたと言う人は絶対たくさんにいるはずである。
僕の中学時代は学校に不良が溢れていた。
何時何時殴られるかもわからず心が休まらない学校生活を送っていた。
不良が多いからコンテンツが作られたのか、コンテンツが不良を作ったのか卵鶏理論になるが、その頃の少年漫画は不良少年の抗争を描いたものが溢れていて、そんな漫画のコスプレのような感覚で不良をやっていた人も少なくなかったという記憶がある。
そのことから、メディアが人の意識に及ぼす影響というのを肌感覚で感じている。
 
また、話を変えるが、オタキング岡田斗司夫さん、宮崎勤事件が起こった時思った感想は、俺たちはあんな奴じゃない!ではなく、まずい!俺たちの事バレちゃった、だったそうだ。
確かこの書籍にあった。
俺たちは女の子が好きで、理想の女の子を2次元の創作して消費していた事がバレちゃったとみたいなニュアンスだったと思う。
 
コンテンツを作る側として自分たちが宮崎勤を生み出しちゃったみたいな感覚を持ったことを告白している。
 
勿論、美少女コンテンツを愉しんだ人全員幼女連続殺人事件を起こすわけではないし、不良の抗争漫画を読んだ全員が不良になるわけではないど、その影響を強く受けるやつは一定数でてくるし、その被害にあう人はでてきちゃう。
 
宇崎ちゃんは、たまたま胸の大きい女子だったわけではなく、大きなおっぱいが好きな僕たちに男に合わせてデザインされたキャラクターなのは明らかで、とうとう女の子を消費して楽しんでいたのが女性達にバレてしまったというのが宇崎ちゃん騒動の本当のところだと思う。
 
そして、雑誌グラビア、アダルトビデオ、レースクイーン、ミスコン、綺麗容姿端麗なアナウンサー、あらゆるものが性消費で、そういうコンテンツが、影響を強く受けて問題行動を起こす人間を作り出しているのは間違いない。
ひとずつバレて、そういうのはやめろという声が強まってくることはもう避けられない流れなんだと思う。
宇崎ちゃん、女性には胸の大きい人、小さい人がいるのは個性で、宇崎ちゃんはたまたま胸の大きい女子として描いただけという論陣は、いつまでも通じないと思う。
 
自分達は被害者だから、被害の遠因になるそういうコンテンツはやめようの声は正論として世間にだんだん受け入れられてゆくと思う。
 
SDGsで男女平等が目標として掲げられている。
いま、男女平等は男性の不当な特権をはく奪し、女性を物として搾取するのをやめさせるとイコールな話だと思うのですけど、ある程度達成が進んでくると、いやいや男女平等ってそういう事じゃないですよね?
女性も特権を持っているし、男性を消費して搾取している事もあるし、差別だってしてますよねという事実がクローズアップされてくると思う。
 
そうなると、女性が男性にダメだやめろと言ってきたこととの非対称が恐らく問題になるでしょう。
 
ananセックス特集とか、韓流アイドル、イケメン俳優は男性に対するルッキズムを助長しているし、お金持ちイケメンが見染めるシンデレラストーリーもけしからんと言う話になってくるだろう。
男性の価値=経済力というのは表向き悪しき概念として取り扱われるようになり、結婚相談所の年収スクリーニング検索など違法になるのは間違いない。
 
僕はそのことを批判したいわけではない。
そうなっていってしまうだろうなと言う未来予測。
 
それは男女ともに欲望を表にさらすのはよくないことだという世界。
結構マッチョでストイックな世界だと思う。
男はムードを察して告白してくれないから女性の方からも好意を伝えて相互に確認が取れてから交際を始めるのが正式な作法になっていくだろうし、女が経済力がある男を選んで安心たいと言うのは本能とか口にすれば厳しく批判されるようになる。
 
男も女も厳しくも正しい世界を生きることになる。
表の世の中はこれからどんどん正しくなるだろう。
では本能むき出しの欲望はどこへ向かうのかというとそれはやはりアンダーグラウンドだ。
人間の欲望が消えるわけではないので主にインターネット空間のどこかに無法地帯スラムが形成される。
 
多分そのアンダーグラウンドの世界はやがて大きな問題になり表の世界とどのようにバランスをとっていくのかはちょっと予想ができない。
 
多分、僕が生きている間には今気楽に消費できているようなコンテンツは厳しく制限されてゆくだろうなと思っている。
 
恐らく、アンパンマンすらバイキンマンをアンパンチで制裁せず、説得と圧力でもって悪事をやめさせる世界。
 
SF小説 消滅世界の世界観は結構いいところをついているし、これに近い世界になってゆくかも知れない。
染色体を研究しているチームが男性の染色体であるY染色体は徐々に変形しており、長い年月で男性はなくなるかもしれないという可能性を報告している。
もしかしたら、テクノロジー有性生殖を克服して、男性という性がこの世から消えるというのもあり得ない話ではないのかなと。

www.richardh.work

 話、飛んじゃいました。

とにかく、ストイックでマッチョな世界をこれから覚悟してゆかないといけないなと最近のニュースから考えさせられたお話でした。

長文お付き合いありがとう御座いました。

 

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